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オマージュについて。

WPPIで1位を取った作品について、お話させて頂きたいと思います。

この作品は歴史的写真家マン・レイ(1890〜1976)の作品“バイオリン”にそっくりです。
私が付けたタイトルは“Ode to Man Ray”です。

右上の肖像画はマン・レイその人です。

マン・レイへが現代フォトグラファーに与えたもの。それに対する私からのお礼であり、オマージュとして作りました。

 

この作品を作ろうと考えた理由は他にも有ります。

コンペにおいては盗作と思えるものを目にする事は少なく有りません。

それらに疑念を抱いていました。

 

ならば、この作品がどう世界から評価されるか?

審査員が知らない作品を盗作してもバレなければ入賞します。

しかし、知ってるものが出てきた時、どう評価するのか?

それを知りたかった事が作った動機です。

 

結果、応募した4つの国際コンペ全てで認めて頂きました。

 

日本には“見立て”や“本歌取り”と言った言葉が有ります。
真似をすることを、そう呼んで称賛しました。
風神雷神図を見てください。
最初の作者、俵屋宗達が描いたのは1624年頃。
尾形光琳が描いたのは1711年頃。
酒井抱一が描いたのは1821年頃と言われています。

ほぼ同じ構図で描かれています。

 

私達の先祖は、世界的にも希なもったいないという価値観を私達に残しました。
それは形あるものはいつかは失われると考え、その時代々で再生産し作品や作者の精神を継承しようと考えたのです。

実際にマン・レイの事を知らないフォトグラファーも少なくありません。
歴史を学ばない人が多くなっているのも事実です。
そうした人達にも先人の功績を知ってもらいたいという思いもあって今回の作品は制作し、応募しました。
と申しましても、私自身まだまだ知らない事ばかり。
何より、写真を撮っていてもの何たるかを知るを得ません。

オマージュについて。

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